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【体験談】育休明けの食事作りがしんどい…冷凍うどんに泣いた私が「完璧な母親」をやめて笑顔を取り戻した方法

「おかえり!」と玄関のドアを開けた瞬間から、まるで戦いのゴングが鳴るかのように、一日の第二ラウンドが始まる。

1年間の育休から復帰して3ヶ月。仕事と育児の両立は、想像を遥かに超える過酷さでした。特に私を追い詰めたのが、毎日の夕食作り。

保育園から帰ってきた息子は、甘えたい盛りで足元にまとわりつき、「ママー!抱っこー!」の大合唱。片や私は、重いPCと息子の荷物を抱え、ヒールで疲弊しきった足を引きずりながらキッチンへ。

育休中は、新しいレシピに挑戦したり、丁寧に出汁をとったり、料理を楽しめていたはずなのに…。

今の私にあるのは、焦りと疲労と、そして「ちゃんとしなきゃ」という重圧だけ。

この記事は、過去の私と同じように、育休明けの食事作りに押しつぶされそうになっているあなたへ向けて書いています。

「もう無理…」とキッチンで一人、涙を流した私が、どうやってその呪縛から抜け出し、笑顔の食卓を取り戻したのか。これは、私の泥臭い失敗談と、そこから見つけた小さな光の物語です。

地獄の幕開け。鳴りやまない「ママー!」と湯気の向こうで泣いた夜

復帰当初は、まだ気力がありました。「仕事も育児も完璧にこなす、かっこいいママになるんだ!」と意気込んでいたのです。週末に常備菜を作り、平日の献立を計画し、朝5時に起きて下ごしらえをする日々。しかし、その張り詰めた糸は、いとも簡単にぷつりと切れました。

理想と現実のギャップという名の壁

現実は、計画通りには進みません。子供の急な発熱による呼び出し、終わらない仕事の持ち帰り、寝かしつけで一緒に寝落ちしてしまう夜…。

作り置きの常備菜はあっという間に底をつき、冷蔵庫の中は空っぽ。スーパーに寄る気力もなく、私の頭の中は「どうしよう」という言葉で埋め尽くされていました。

キッチンに立つのが、怖い。シンクに溜まった洗い物、空の冷蔵庫、そして泣き続ける息子。すべてが私を「ダメな母親」だと責め立てているように感じました。

「ごめんね」と呟きながら出した冷凍うどん

その日も、私は心身ともに限界でした。疲れ果てた頭で考えられる精一杯のメニュー、それは冷凍うどんでした。

お湯を沸かし、冷凍うどんを放り込み、めんつゆをかけるだけ。わずか5分の調理時間。その湯気の向こうで、息子の「お腹すいたー!」という泣き声が響きます。

「はい、どうぞ」と食卓に出したうどんを、息子は夢中で啜っていました。その姿を見ながら、私の目からは、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちたのです。

心の声「もう限界かもしれない…私、母親失格だ」

(ごめんね、こんなご飯で。本当はちゃんと栄養のある、温かい手作りのご飯を食べさせてあげたいのに。育休中の私は、もっとちゃんとできていたのに。どうして、私だけこんなにダメなんだろう。もう、母親失格だ…)

罪悪感と自己嫌悪で、胸が張り裂けそうでした。美味しいね、と言ってくれる息子の顔を、まともに見ることができませんでした。このままでは、私が壊れてしまう。心からそう思った、長い長い夜でした。

なぜ?あなたのせいじゃない!育休明けの食事がしんどい本当の理由

あの夜を境に、私は「なぜこんなに苦しいのか」を考え始めました。そして気づいたのです。このしんどさは、決して私の能力が低いからでも、愛情が足りないからでもないのだと。

理由1:見えない「呪い」。「手作り神話」のプレッシャー

私たちは知らず知らずのうちに、「母親の愛情は手料理に宿る」「子供には栄養バランスの取れた手作りの食事を」という「手作り神話」に縛られています。

SNSを開けば、彩り豊かな食卓を囲む家族の写真。雑誌をめくれば、時短でも品数豊富なレシピ特集。それらが無言の圧力となり、「そうあるべきだ」という呪いのように、私たちを追い詰めるのです。

理由2:脳のメモリ不足。復帰直後のマルチタスク地獄

育休明けの脳は、常にメモリ不足の状態です。新しい仕事のキャッチアップ、保育園の準備、子供の体調管理、膨大なタスクが同時に押し寄せます。

食事作りは「献立を考える→買い物→調理→片付け」という一連のプロジェクト。脳のメモリが足りない状態で、この複雑なプロジェクトを毎日こなすのは、そもそも無理な話なのです。冷凍うどんに頼るのは、脳が発したSOSのサインだったのかもしれません。

理由3:育休中の自分との比較が生む自己嫌悪

最も手強い敵は、過去の自分でした。時間に余裕があり、料理を楽しめていた育休中の自分。その記憶が「あの頃はできていたのに」という自己嫌悪を増幅させます。

しかし、環境は全く違うのです。育休中と復帰後では、使える時間も、体力も、心の余裕も、何もかもが違います。違うフィールドで戦っているのに、同じパフォーマンスを求めること自体が、大きな間違いだったのです。

【例え話】あなたは水漏れするキッチンで料理していませんか?

このしんどさの正体に気づいたとき、私の中にひとつの例え話が浮かびました。

育休明けの食事作りは、「原因不明の水漏れが起きているキッチンで、床を拭きながら料理をする」ようなものだと。

床を拭き続ける不毛な努力(=気合と根性)

床にどんどん溢れてくる水。これが「時間がない」「疲れた」という日々の問題です。多くの人は、この溢れた水を必死に雑巾で拭き取ろうとします。これが「気合で乗り切る」「根性で時短レシピを頑張る」という対症療法です。

でも、いくら拭いても、水は次から次へと溢れてくる。やがて雑巾を絞る力もなくなり、その場にへたり込んでしまうのです。

本当にすべきは「元栓」を締めること

本当にやるべきことは何でしょうか?床を拭くことではありません。水漏れの原因となっている「元栓」を見つけ、それをキュッと締めることです。

この「元栓」こそが、私たちを縛り付けている「食事はこうあるべきだ」という固定観念や完璧主義なのです。「毎日手作りじゃなきゃ」「品数がなきゃ」「彩りが…」この緩んだ元栓から、罪悪感や自己嫌悪という水がダダ漏れになっているのです。

「完璧主義」という元栓を締めて、新しい仕組みを作ろう

元栓を締めれば、水は止まります。まずは、自分の中の「〜べき」という思い込みを手放す。そして、空いたスペースに、食洗機やミールキットのような「新しい配管(仕組み)」を通すのです。そうすれば、キッチンは驚くほど快適で、創造的な場所に変わります。

私が「完璧な母親」をやめるために実践した3つのステップ

「元栓を締める」と決意した私は、具体的な行動に移しました。それは「頑張る」ことではなく、むしろ「手放す」ことでした。

ステップ1:「やめることリスト」を作る勇気

まず、To-Doリストならぬ「やめることリスト」を作りました。

  • 一汁三菜をやめる → 一汁一菜でもOK!最悪、丼もの一つでいい。
  • 毎日買い物に行くのをやめる → ネットスーパーと食材宅配に切り替え。
  • 全部手作りするのをやめる → カット野菜、冷凍食品、お惣菜をスタメンに。
  • 彩りを気にするのをやめる → 栄養があれば茶色い食卓でもいいじゃない。

これを紙に書き出すだけで、心がふっと軽くなるのを感じました。誰かに許可されたような、安堵感がありました。

ステップ2:「お金で時間を買う」という発想の転換

次に、罪悪感を感じていた「お金で解決すること」を積極的に取り入れました。これは浪費ではなく、家族の笑顔と私の心の平穏を守るための投資だと考え方を変えたのです。

投資対象メリットデメリットこんな人におすすめ
ミールキット献立不要、買い物不要、時短調理やや割高、量が調整しにくい献立を考えるのが苦痛な人
食材宅配買い物時間がゼロに、重い物も玄関先まで送料がかかる、急な変更がしにくい計画的に食材を使いたい人
調理家電材料を入れるだけで調理完了、他の作業ができる初期投資が高い、置き場所が必要調理中の「付きっきり」から解放されたい人
お惣菜・冷凍食品温めるだけ、圧倒的な時短罪悪感を感じやすい、添加物が気になる心身ともに疲れ果てた日の「お守り」として

特に、電気圧力鍋(ホットクックなど)は私の人生を変えました。材料を入れてボタンを押せば、子供をお風呂に入れている間にカレーや煮物が完成している。この感動は、まさに魔法でした。

ステップ3:「愛情=調理時間」の呪いを解く

最後に、一番重要だったのが、このマインドセットの転換です。

「愛情は、調理時間に比例するわけじゃない。『おいしいね』と笑い合える時間にこそ、愛情は宿るんだ

そう自分に言い聞かせました。ミールキットで作ったハンバーグでも、お惣菜のコロッケでも、子供が「おいしい!」と笑ってくれれば、それは愛情たっぷりの食卓です。

キッチンにこもってイライラしながら作った完璧な料理より、たとえレトルトでも、子供としっかり向き合って、今日の出来事を聞きながら食べるご飯の方が、ずっと価値がある。そう思えるようになったのです。

もう罪悪感に悩まない!明日からできる具体的なアクションプラン

もしあなたが今、苦しんでいるのなら、ぜひ試してみてください。完璧を目指さなくて大丈夫。まずは、自分を楽にすることから始めましょう。

  • 「頑張らない曜日」をカレンダーに書き込む
  • 週に2日、例えば火曜日と木曜日は「絶対料理しないデー」と決めてしまいましょう。その日はお惣菜、デリバリー、レトルトでOK。あらかじめ決めておけば、罪悪感が薄れます。
  • パートナーを「戦友」にする魔法の言葉
  • 「手伝って」ではなく、「このタスクをお願いできる?」と具体的に頼む。「一緒にこの困難を乗り越えるチームになろう」というスタンスで話すことが大切です。「私、もう限界かもしれない」と素直な気持ちを伝える勇気も必要です。
  • 朝の5分を「夜の自分を助ける時間」に
  • 朝、お米を研いでタイマーをセットしておく。野菜をザクザク切っておくだけ。たった5分ですが、夜の負担が劇的に減ります。夜の自分から感謝されるはずです。

よくある質問(FAQ)

Q. 夫が協力してくれません…

A. 「言わなくても察してほしい」は残念ながら伝わりません。「今の状況がいかに大変か」「具体的に何をしてほしいか(ゴミ出し、子供の風呂担当など)」を冷静に伝える場を設けましょう。家事タスクをすべて書き出して可視化し、分担を決める「家事分担会議」も有効です。あなたの「しんどさ」を、一人で抱え込まないでください。

Q. 食費が上がるのが心配です…

A. 確かに、ミールキットやお惣菜は自炊より割高になることがあります。しかし、「時間」と「心の平穏」という、お金には代えがたい価値を得られます。外食を一回減らす、使途不明金を洗い出すなど、家計全体で見直してみましょう。また、食材宅配は計画的に使うことでフードロスを減らせるというメリットもあります。

Q. 子供の栄養面が気になります…

A. 完璧な栄養バランスを毎日続けるのはプロでも至難の業です。1日単位ではなく、1週間単位でバランスが取れていればOK、とハードルを下げてみましょう。お惣菜にミニトマトや味噌汁をプラスするだけでも立派な工夫です。最近の冷凍食品は栄養面も考慮されたものが増えています。上手に活用して、ママの笑顔という最高の栄養を子供に届けてあげてください。

あなただけの「ごきげんな食卓」へ、最初の一歩

育休明けの嵐のような日々。キッチンに立つのが怖くて、涙した夜もありました。

でも、私は「完璧な母親」の鎧を脱ぎ捨てることで、自分自身を、そして家族の笑顔を取り戻すことができました。

今の我が家の食卓は、お惣菜の日もあれば、ミールキットの日もあります。でもそこには、イライラして無言の私ではなく、息子の話を笑顔で聞いている私がいます。

愛情は、調理時間では測れません。

この記事が、かつての私のように一人で罪悪感を抱え、苦しんでいるあなたの心を、少しでも軽くできたなら、これほど嬉しいことはありません。

あなたは、一人じゃありません。そして、あなたは、もう十分に頑張っています。

さあ、今日は何を食べますか?どんな方法でも大丈夫。あなたとあなたの家族が笑顔になれるなら、それが世界で一番素敵な食卓です。