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【実録】共働きの食費が月8万超え…罪悪感で泣いた夜。「頑張らない節約」で心もお金も軽くなった方法

「ただいま…」

重たいドアを開けると、部屋の電気はまだついていない。時計の針はとっくに20時を回っている。同じくフルタイムで働く夫も、まだ帰ってきていないようだ。

『あぁ、今日もダメだった…』

心の中で、誰に言うでもなく謝罪する。キッチンに立つ気力なんて、1ミリも残っていない。通勤カバンをソファに放り投げ、そのまま崩れるように座り込む。スマホを手に取り、無意識に開くのはフードデリバリーのアプリ。

これが、数ヶ月前の私の日常でした。

共働きになって、世帯収入は増えたはずなのに、なぜか通帳の残高は増えない。それどころか、毎月のカードの請求額を見ては眩暈がする日々。原因はわかっている。月に8万円、ひどい時には10万円近くに膨れ上がった「食費」です。

「節約しなきゃ」

頭ではわかっているんです。でも、朝早くから満員電車に揺られ、日中は仕事に追われ、クタクタになって帰宅した後に、スーパーに寄って献立を考え、野菜を切って、炒めて、煮込んで…なんて、もはや拷問に近い。

「なんで私だけ、こんなにダメなんだろう…」

SNSを開けば、同じように働く友人たちが作った彩り豊かな手料理が並んでいる。それに比べて私は、今日もデリバリーのピザを待っている。情けなさと罪悪感で、胸がぎゅっと締め付けられる。そんな夜が、何度もありました。

もし、あなたが今、当時の私と同じように「頑張りたいのに頑張れない」自分を責め、出口のないトンネルの中にいるような気持ちでいるのなら、この記事を読んでください。

これは、完璧な主婦になるのを諦めた私が、「頑張らない」と決めたことで、逆に食費を月5万円台に抑え、心穏やかな毎日を取り戻した、リアルな物語です。

なぜ?収入は増えたのに…共働き夫婦を襲う「食費沼」の恐怖

あなたも、こんな経験はありませんか?

  • 仕事で疲れてスーパーに寄る気力もなく、ついコンビニ弁当や外食で済ませてしまう
  • 「たまにはいいよね」が口癖で、週の半分以上が外食・中食になっている
  • 冷蔵庫の中には、いつか使おうと思って買ったまま傷んでしまった野菜が眠っている
  • 節約レシピ本を買ってみたものの、作る時間も元気もなくて本棚の肥やしになっている
  • 夫婦で「節約しよう」と話すものの、お互いの忙しさから具体的な行動に移せない

これらはすべて、かつての私が陥っていた「食費沼」の入り口です。共働きで時間がない夫婦ほど、この沼にハマりやすい構造があります。

心の悲鳴:「もう無理…」時間貧困が判断力を奪う

私たちの最大の敵、それは「時間貧困」です。仕事、通勤、最低限の家事…1日は24時間しかなく、私たちの体力と気力には限界があります。

心理学には「決定疲れ(Decision Fatigue)」という言葉があります。人は一日に判断できる回数に限りがあり、重要な決断を繰り返すと、後半には判断の質が著しく低下するというものです。

仕事で一日中頭をフル回転させた後、「今日の夕食は何にしよう?」という問いは、想像以上に重い負担となります。その結果、私たちは最も簡単な選択肢、つまり「外食」や「惣菜」、「デリバリー」に流されてしまうのです。これは、あなたの意志が弱いからではありません。心と体が「もう限界だ」と悲鳴を上げているサインなのです。

幻想との戦い:「ちゃんとしなきゃ」という見えない呪い

もう一つの敵は、私たちの心の中に潜んでいます。それは「自炊こそが正義」という強固な価値観、いわば「自炊神話」です。

  • 手作りの料理は、愛情の証
  • 節約するなら、自炊は当たり前
  • 健康のためにも、栄養バランスの取れた手料理を

こうした「あるべき姿」が、できていない自分を追い詰めます。惣菜を買う手に罪悪感を覚え、デリバリーを頼む指が震える。本当は楽をしたいのに、心のどこかで「手抜きをしている」と自分を責めてしまう。この罪悪感が、さらなるストレスを生み、自己肯定感を削っていくのです。

『みんなできているのに、どうして私にはできないの…』

この心の声こそが、あなたを最も苦しめている原因なのかもしれません。

悪循環の完成:お金で時間を買う→時間がないからお金が消える

「時間貧困」と「自炊神話」が組み合わさることで、最悪の悪循環が生まれます。

1. 疲労困憊: 仕事で疲れ果て、自炊する気力がゼロになる。

2. 外部委託: 外食や惣菜、デリバリーに頼る。(お金で時間を買う)

3. 食費高騰: 結果として、食費がどんどん膨れ上がる。

4. 罪悪感と焦り: 高い請求額と「自炊できなかった」という罪悪感に苛まれる。

5. ストレス増加: 「次こそは自炊しなきゃ」というプレッシャーがストレスになる。

6. (1.に戻る): ストレスと疲労で、結局また自炊できない…。

このループに一度ハマると、抜け出すのは容易ではありません。頑張ろうとすればするほど、心と体、そしてお財布が疲弊していくのです。

【転機】それはまるで「穴の空いたバケツ」。私が犯していた致命的な間違い

ある晩、いつものようにデリバリーのパスタを食べながら、夫に弱音を吐きました。「もう無理だよ。節約なんてできない…」。すると、夫が静かにこう言ったのです。

「なんかさ、俺たち、穴の空いたバケツで必死に水を運んでるみたいじゃない?」

その言葉に、ハッとしました。

多くの人は、食費を節約しようとするとき、「もっと安いスーパーを探す」「特売品で献立を考える」「頑張って自炊する」といった方法を考えます。これは、バケツで水を運ぶときに「もっと速く走る」「もっとたくさん水を汲む」と努力するのと同じです。

しかし、もしそのバケツの底に穴が空いていたらどうでしょう?

いくら速く走っても、いくらたくさん水を汲んでも、目的地に着く頃には水はほとんど残っていません。努力すればするほど、水はどんどん漏れていってしまう。そして、残るのは疲労感だけ…。

私たちの「穴」とは、「自炊するための時間と気力がない」という根本的な問題でした。この穴を塞がない限り、どんなに節約術を学んでも、水(お金)は漏れ続けていくのです。

本当にやるべきだったのは、走るのをやめて、一度立ち止まること。そして、バケツの穴を塞ぐ方法を考えることだったのです。

この気づきが、我が家の食費革命の始まりでした。

頑張るのをやめたら食費が月3万円減!我が家が実践した「穴を塞ぐ」3つのステップ

私たちは「完璧な自炊」という理想をきっぱりと捨てました。そして、「どうすれば、疲れきった平日でも、無理なく、罪悪感なく、食費を抑えられるか」という視点で、家庭の食生活を再設計したのです。

ステップ1:『自炊神話』からの解放宣言

まず最初に行ったのは、夫婦での意識改革でした。

  • 自炊は週2〜3日でOKとする: 「毎日自炊」という目標を捨てました。作れない日があって当たり前。それ前提で計画を立てることにしたのです。
  • 惣菜・冷凍食品を「仲間」と認める: これまで「手抜き」「罪悪感の象徴」だった惣菜や冷凍食品を、「忙しい私たちの頼れる味方」と位置付けました。特に、揚げるだけの冷凍唐揚げや、温めるだけの焼き魚などは、メインディッシュとして堂々と食卓に並べることにしました。
  • 「一汁三菜」を捨てる: 理想の食卓は「ご飯+メインディッシュ+汁物」で十分。品数が少なくても、栄養が偏りすぎなければOKというルールにしました。

この「解放宣言」だけで、心が驚くほど軽くなりました。キッチンに立つプレッシャーから解放され、「作れたらラッキー」くらいの気持ちになれたのが大きな変化でした。

ステップ2:『時間を買う』への賢い投資

次に、バケツの穴を塞ぐための「補修テープ」を手に入れました。それは、これまで「贅沢品」だと思い込んでいたサービスや家電への投資です。

投資対象具体的な内容メリット我が家の変化
ミールキットOisixやKit Oisix、ヨシケイなど献立を考える時間、買い物、食材カットの手間がゼロに。20分で主菜と副菜が完成。「何作ろう…」の悩みから解放。料理のハードルが劇的に下がり、自炊率がアップ。
ネットスーパーイトーヨーカドーや楽天西友など仕事の休憩中や通勤中にスマホで注文。重いお米や飲み物を玄関まで届けてくれる。週末の買い物時間がなくなり、夫婦の時間が増えた。スーパーでの衝動買いも防止。
時短調理家電ヘルシオ ホットクック、電気圧力鍋材料を入れてボタンを押すだけで、煮込み料理やスープが完成。火加減を見る必要なし。調理中に他の家事ができる。コンロが1つ増えたような感覚で、品数を増やすのも楽に。
食洗機ビルトイン型や据え置き型面倒な食器洗いをすべてお任せ。手洗いより高温で洗うため衛生的で、節水にもなる。夕食後の「どっちが洗う?」の小さなストレスが消滅。夫婦喧嘩が減った。

これらの投資は、初期費用こそかかりますが、長期的に見れば計り知れないほどの「時間」と「心の余裕」を生み出してくれます。これは「浪費」ではなく、豊かな生活を送るための「投資」なのです。

ステップ3:『週末1時間』で平日を乗り切る仕組み化

最後に、週末にほんの少しだけ頑張る「仕組み」を作りました。ポイントは「1時間以上はやらない」と決めることです。

  • 下味冷凍の導入: 週末に、鶏肉や豚肉に焼肉のタレや生姜醤油などで下味をつけて冷凍しておくだけ。平日はこれを解凍して焼くだけで、立派なメインディッシュが完成します。包丁を使うのは週末の数分だけです。
  • ごはんの冷凍ストック: ご飯は一度に5合炊いて、1食分ずつラップに包んで冷凍。平日はレンジで温めるだけ。
  • 「だけ」野菜の常備: ミニトマトは洗うだけ、カット済みの千切りキャベツは袋から出すだけ、冷凍ほうれん草は味噌汁に入れるだけ。こうした「だけ」で使える野菜を常備することで、手軽に野菜をプラスできるようにしました。

この「週末1時間」の仕組みがあるだけで、「最悪、冷凍庫にアレがある」という安心感が生まれ、平日の精神的な負担が大きく減りました。

罪悪感から解放された先に見えた、本当の豊かさ

「頑張らない節約」を始めて数ヶ月。我が家の食費は、無理なく月5〜6万円台で安定するようになりました。年間で計算すると、24万円以上の節約です。

でも、得られたのはお金だけではありませんでした。

  • 夕食後の夫婦の時間が増えた
  • 「今日何食べる?」のストレスから解放された
  • 「今日も作れなかった」という自己嫌悪がなくなった
  • 浮いたお金で、本当に欲しいものを買ったり、旅行に行ったりできるようになった

何より大きかったのは、「こうあるべき」という呪いから解放され、自分たちのペースで生活を組み立てられるようになったことです。

キッチンに立つ時間を減らしたら、心に余裕が生まれ、夫婦の会話が増え、人生そのものが豊かになった気がします。節約とは、我慢することではなく、自分たちにとって何が一番大切かを見極め、生活を最適化していくプロセスなのだと、今ならわかります。

よくある質問(FAQ)

Q1. ミールキットやネットスーパーは、結局割高になりませんか?

確かに、個々の食材をスーパーで買うよりは割高に感じるかもしれません。しかし、「食材を使いきれずに腐らせてしまうフードロス」「献立を考える時間的コスト」「買い物に行く労力と時間」「スーパーでの衝動買い」などを考慮すると、トータルではむしろ安くつくケースが多いです。我が家では、外食やデリバリーが激減したことで、結果的に大きな節約につながりました。

Q2. 時短調理家電は高価で、なかなか手が出せません。

高価な投資に感じる気持ちはよくわかります。まずは、レンタルサービスでお試しで使ってみるのも一つの手です。また、ボーナスの時期や、セールなどを狙って購入するのも良いでしょう。「この家電があれば、月に1万円外食が減らせるかも」と考えれば、1年足らずで元が取れる計算になります。お金で時間を買い、その時間でさらに豊かな生活を送る、という発想の転換が大切です。

Q3. 夫(妻)が節約に協力的ではありません。どうすればいいですか?

一方的に「節約しよう」と押し付けるのではなく、「今の食生活の何が大変か」「どうなれば楽になるか」という視点で、あなたの「困りごと」を共有することから始めてみてください。「あなたを責めているのではなく、二人で楽になりたい」というメッセージを伝えることが重要です。この記事で紹介した「穴の空いたバケツ」の話を例に、現状を客観的に話し合ってみるのも効果的かもしれません。

あなたのバケツの穴を、今日から塞ぎ始めよう

かつての私のように、食費の悩みと罪悪感の中で立ち尽くしているあなたへ。

もう、一人で自分を責める必要はありません。あなたが悪いわけでも、努力が足りないわけでもないのです。ただ、少しだけ頑張る場所を間違えていただけかもしれません。

完璧な手料理を目指さなくても、大丈夫。

毎日キッチンに立たなくても、大丈夫。

まずは、あなたの心を縛り付けている「自炊神話」という重い鎧を脱ぎ捨ててみませんか?そして、あなたの貴重な時間と気力を奪っている「バケツの穴」はどこにあるのか、一度立ち止まって見つめてみてください。

「頑張らない」と決める勇気が、あなたの生活を、そして人生を、もっと軽やかで豊かなものに変えてくれるはずです。

今日の夕食は、頑張らなくていい。その選択が、新しい毎日への第一歩になることを、心から願っています。